第9章:お嬢さん、そのよだれを拭いてください!

ノーラ視点

ポロシャツを着た背の低い方のゲス野郎が、あたしを頭のてっぺんからつま先までなめるように見て、下品な笑みを浮かべた。「よう、こいつは。ずいぶん盛り上がってきたじゃねえか」そいつは気だるげに言って、あたしの胸に視線を貼り付けた。「こっちに来いよ、ハニー。俺らのボックス席、まだ空いてるぜ」

その連れで、ジェルで髪をガチガチに固めたひょろ長いキモい男が、クスクスと笑う。「ああ、三人ならもっと楽しめるだろ。お前の連れ、クソ寂しそうじゃん」

デイジーは意味不明なことを何かつぶやいて立ち上がろうとし、もう少しで顔から床に突っ込みそうになった。あたしは彼女の腕を掴んで、倒れないように支える。...

ログインして続きを読む