第127章

アリア

レッドウッド医療センターのエレベーターを降りると、すぐに消毒液の匂いが鼻をついた。私は病院が嫌いだ。昔からずっと。

ナースステーションでは、二人の女性が身を寄せ合ってひそひそと話していた。

私に気づくと、若い方の看護師は、むち打ちにでもなるんじゃないかと思うほどの勢いで、びくりと体を起こした。

「おはようございます」私は努めて礼儀正しい笑みを浮かべながら言った。「マシューの見舞いに来ました」

二人は奇妙な視線を交わした。その瞬間、私の頭の中で警報が鳴り響く。年配の看護師は、急に自分のパソコンの画面に夢中になった。

「もちろんです、テイラーさん」若い方が、やけに甲高い声で言っ...

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