チャプター 158

アリア

人でごった返すボールルームを見渡したが、彼女の姿は見つからなかった。なぜか外の庭が気になり、ガラスのドアを押し開ける。

そこに彼女はいた――レベッカが、薔薇のそばに一人で立っていた。庭園の灯りが彼女を照らし出している。

「レベッカ?」チョコレートケーキを手に、私は彼女に歩み寄りながら声をかけた。「大丈夫? 急にいなくなったから」

彼女は驚いたように振り返った。「あら、アリア。ちょっと空気が吸いたくなっただけよ」

「ケーキ、持ってきたわ」私は皿を差し出した。「エリザベスが特別に作ったのよ」

彼女はそれを受け取ったが、口はつけなかった。「ありがとう」

何かがおかしい。「どうし...

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