チャプター 17

ブレイク

ウイスキーが喉を焼いたが、胸で燃え盛る怒りほどではなかった。俺は書斎に座り、クリスタルのタンブラーの中の琥珀色の液体を睨んでいた。わずかに震える手の中で、氷がグラスに当たってカランと音を立てた。一時間。一度も姿を見せなかった女のために、あの法律事務所で一時間も待たされたのだ。

丸々一時間。弁護士どもが囁き合い、俺を憐れむ六十分間。ブレイク・モーガン、妻にすっぽかされる。

屈辱だった。

弁護士たちは丁寧に取り繕おうとしていた。「モーガン夫人には、何か緊急のご用件があったのかもしれません」と。だが、その目にはありありと浮かんでいた。憐れみが。妻にいいように弄ばれているのだろうとい...

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