チャプター 18

アリア

翌日、私は仕事を休んだ。手の痛みがひどすぎたので、それを口実にしたのだ。だが、アパートで一人きりでいると、痛みよりも辛く感じた。

小さなキッチンでスープをかき混ぜる。鶏肉と生姜のスープ。十歳のときに父が教えてくれたものだ。湯気とともに、懐かしい香りが立ち上る。包帯を巻いた手を胃に押し当てた――今日は再診の予約が入っている。

グラントさんなら、このスープを欲しがるだろう。父はいつも、どんな病気でも治せると言っていた。

レッドウッド・メディカルまでの運転には四十分かかった。魔法瓶を痛くない方の手で持ちながら、ブレイクのことを考えないように努めた。顔にかけられたウィスキーのことも。...

ログインして続きを読む