チャプター 51

ブレイク

ハンプトンの屋敷へ戻る車内は、沈黙に包まれていた。アリアは黒焦げになったクッキーの容器を強く抱きしめ、窓の外をじっと見つめている。グランツ家を出て以来、彼女は一度として俺の方を見ようとはしなかった。

俺は彼女の後を追って屋敷に入り、キッチンへと向かうその背中を目で追った。別れの言葉も、説明も一切ない。あるのは、あの忌々しいクッキーと、彼女の頑なな沈黙だけだ。

酒が必要だった。あるいは葉巻か。いや、その両方だ。

幸い、テラスには誰もいなかった。俺は銅製のヒュミドールから葉巻を一本取り出した。特別な機会のために取っておいた、高価なキューバ産だ。最後にこれに火をつけたのは、弁護士事...

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