第12話

深也は、あのとき何をした?

二言もなく、数億の現金を兄の目の前に積ませて、賭けの借金を一気に肩代わりした。

あらゆる伝手を動かし、母さんには世界最高峰の腫瘍病院を手配し、第一線の名医を揃えた。

それから私を屋敷へ連れ戻して、名のある服を買い与え、最高の食材を食べさせて、息が届くほどに面倒を見た。

なのに、私はどうだった?

あの頃の私は、深也を悪魔だと思っていた。

度の過ぎた支配欲が気持ち悪くて、近づかれるのが嫌で、陰で「狂ってる」「変態」と罵って――。

あの薄っぺらい淵のために、何度も深也の書類を盗み、行動を漏らした。

最後には酒に薬まで混ぜて、深也を死にかけさせた。

――...

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