123、

グラン・レジデンス。書斎の扉はここ数日、一度も開いていなかった。

酔い覚ましのスープを盆に載せた哲也は、扉の外に立ち尽くしていた。中から時折、物が砕ける音が漏れ聞こえる。ノックしようと手を上げては下ろし、また上げては下ろした。

社長が浅倉さんを追い出してから、ずっと書斎に引きこもったままだ。

会社の業務には一切触れず、神城家のことにも口を出さない。ただ毎日、一つのことだけをしている――酒を飲むことだ。

哲也は歯を食いしばり、扉を押し開けた。

強烈な酒の匂いが顔を打ち、ツンと鼻を突いて目頭が熱くなる。

書斎の中は荒れ果て、至る所に酒瓶が転がっていた。

深也は部屋の隅で壁に背を預け...

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