第20話

浩太は隙を突いて乱暴に腕を引っ張り、晴香をそのまま玄関の外へ引きずり出した。外にはボロボロのミニバンが停まっている。車体は泥はねだらけだ。

浩太はスライドドアを開けると、ゴミでも捨てるみたいに晴香を放り込んだ。

「おとなしくしてろ! 逆らったら今ここで使い物にならねぇ身体にしてやる!」

座席の下から太い麻縄を引きずり出し、晴香の手首と足首を雑に縛り上げる。ぐい、と結び目を締めた。

ざらついた縄が肉に食い込み、すぐに赤い筋がいくつも浮いた。

晴香の頭が後部座席の金具にごつんと当たり、額の端が切れる。血がつう、とこめかみを伝って落ち、視界が滲んだ。

埃と煙草の臭いがこもった後部座席。...

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