第23話

二階のフランス窓の前。淵は晴香の腰に腕を回し、その身体を強引に自分の胸へと引き寄せた。

背中が淵の硬い胸板に打ち付けられ、晴香は痛みに眉をひそめる。

淵が顔を伏せ、陰湿な気配を纏った顔を晴香のうなじへと近づけてきた。

氷のように冷たい唇が頬に触れ、晴香は全身の産毛が総毛立つほどの悪寒を覚えた。

「んっ! んんっ!」

晴香は必死に首を振り、そのおぞましい感触から逃れようとする。

だが口を粘着テープで塞がれており、喉の奥からくぐもった嗚咽を漏らすことしかできない。

淵は視線を落とし、眼下の庭に立つ深也をねめつけた。

暗闇の中に佇む深也。庭に乗り入れた車のヘッドライトが彼の影を長く...

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