第40話

「浅倉さん、お目覚めになったのなら、少しは立場を弁えてはいかがですか」茉莉が嫌味たらしく口を開く。「神城社長はあなたのために、大事なお仕事まで放り出しているんですよ。本当に社長を愛しているのなら、これ以上足手まといになるべきじゃありませんわ」

晴香はベッドの背に寄りかかり、茉莉の猿芝居を静かに見つめながら、内心で鼻で笑っていた。

この女、あまりにも底が浅すぎる。前世の自分はどれだけ目が節穴だったから、こんな安っぽい挑発に引っかかっていたのだろう。

晴香が口を開こうとした矢先、自分の手を包み込んでいた大きな手が、ギリッと強く握り込まれた。

深也はゆっくりと立ち上がり、茉莉を見下ろした。...

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