第56話

晴香は呆然とし、口を開きかけたが、弁解の言葉など何一つ見つからなかった。

手術の後、彼女は確かに淵がその胎児を処分するのを黙認した。その子がどうなったか、尋ねることすらしていなかったのだ。

だが、淵がこれほど異常で、あんなに小さな子を標本にするなんて、想像もしていなかった。

晴香が言葉を失う中、深也は静かに目を閉じた。

すべてが終わった。

「晴香、お前の愛は随分と安っぽいな」

深也は背を向け、もはや地面にへたり込む女を見ようとはしなかった。

「俺が努力して、心を抉り出して捧げれば、お前を振り向かせられると思っていた。だが、とんだ笑い話だったよ」

淵は車椅子に座ったまま、死胎が...

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