75

深也は、死んだように動かない晴香を見つめ、じわじわと目元を赤くしていった。

「ごめん……」

ぽつり、と。

熱を帯びた涙の雫が、晴香の蒼白な頬に落ちて弾けた。

深也は彼女の首筋に顔を埋め、微かに肩を震わせながら、行き場をなくした子供のように咽び泣いた。

彼は気づいていなかった。その涙が落ちた瞬間、力なく投げ出されていた晴香の指先が、ぴくりと動いたことを。

晴香が目を覚ましたのは、三日目の早朝だった。

重い瞼を押し上げると、見慣れた灰色の天井が視界に広がる。冷やりとしたシダーウッドの香りが空気に溶け込んでいた。

ここは深也の主寝室だ。

身体を動かそうとすると、全身の骨がバラバラ...

ログインして続きを読む