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晴香は隣に座る男をちらりと盗み見した。

「大丈夫です、錦さん。ただちょっと伝えておこうと思って。私、今夜は……帰りません」

「えっ? 帰らないって? じゃあどこにいるの?」

「平気です、友達のところにいるから安全ですよ」

錦に心配をかけまいと、晴香は言葉を遮った。

「莉々はもう寝ましたか?」

「さっき寝たところ。ずっとあなたのことを呼んでたわよ」

東宮錦はふうっと息を吐いた。

「晴香、なんだか泣いているような声だけど? 本当に何もないの?」

「本当に大丈夫です。ちょっと風邪気味で、喉の調子がおかしいだけで」

晴香は鼻をすすり、無理に笑みを作った。

「錦さんも早く休んでく...

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