第12章

相沢栞の身体がびくっと震えた。

神谷蓮?

心の底から、巨大な悲哀が込み上げてくる。

彼が彼女を生かし、あの牢から出したのは、ただそのためだったのだ。

ほんのわずかな未練や、かつての情などではない。彼女を痛めつけるためでさえない。ただ、生きた「血液バンク」として――別の誰かを救う臍帯血を提供するための道具にするため。

血の気の引いた顔で、彼女は虚ろな瞳を彼に向けた。

神谷洲は視界の隅で彼女の表情を窺っていたが、その視線がぶつかった瞬間、さっと目を逸らし、病室の窓の外へ顔を向けた。

「何を考えているか、分からないとでも思うか」声が低く沈み、侮蔑の色が濃くなる。「お前のような女は、金...

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