第13章

「分かっています」相沢栞は静かに答えた。

分かっているに決まっている。

今の彼女にある唯一の価値とは、合格点に達した「産む機械」であり、「血液バンク」であることだけだ。

車が病院の正面で止まり、相沢栞がドアを開けて降りようとしたとき、背後から神谷洲の声が引き留めた。

「待て」

彼は財布からブラックカードを抜き出し、彼女の膝へ放り投げた。

「暗証番号はお前の誕生日だ。欲しいものがあれば自分で買え。そんな貧乏くさいなりで、俺に恥をかかせるな」

相沢栞は膝の上のカードを見ると、火傷でもしたかのように手を伸ばし、突き返そうとした。

「いりません……」

「持っておけ!」神谷洲の口調に...

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