第15章

神谷洲の顔色が、一瞬にしてどす黒く沈んだ。

大股で歩み寄ると、事の経緯など一切問いただすことなく手を振り上げ、相沢栞の頬を思い切り張り飛ばした。

「パンッ!」

乾いた破裂音が、がらんとした屋根裏部屋に響き渡る。

相沢栞は弾かれたようによろめいた。片頬が火のように熱く痛み、耳鳴りが止まらない。口の中には鉄の味が広がっていた。

「誰の許しを得て、あの子に手を出した」神谷洲の声は氷のように冷たかった。

彼は床に倒れていた神谷蓮を抱き起こし、優しい声でなだめる。

だが再び相沢栞へ向けられた眼差しは、猛毒を塗った刃そのものだった。

相沢栞は頬を押さえたまま彼を見つめ、ぽろぽろと涙をこぼ...

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