第17章

顔を上げ、神谷洲を睨みつける。その眼差しはかつてないほど鋭かった。

「転んでできた傷じゃない。鈍器で殴られた痕だ!」

神谷洲は答えない。ただ苛立たしげにネクタイを緩めた。

温水景介の心は、じわじわと冷たく沈んでいく。

すぐに医療キットを開け、相沢栞の傷の処置にかかる。

まずは額。傷は浅く、見た目が痛々しいだけだ。

最も厄介なのは、その手だった。

温水景介がハサミで右の袖を切り裂いた瞬間、あらゆる外傷を見慣れている外科医の彼でさえ、思わず息を呑んだ。

中手骨と指骨の、多発性粉砕骨折。

皮下組織は重度の内出血と浮腫により、ぞっとするような赤黒い色に変色している。

「いつやられ...

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