第18章

客室へ続く廊下。温水景介は冷たい壁に背を預け、手のひらにあの小さなペンダントを握りしめていた。

これ以上は待てない。

相沢栞をこのままここに置いておけば、彼女は死んでしまう。

人目のない角へ移動し、暗記している番号へ発信した。

すぐに繋がり、快活な女の声が響く。

「もしもし? 温水先生なんて珍しい。どうしたの?」

「三浦晴香、俺だ」温水景介は声を押し殺した。「今、北峰市にいるか?」

電話の主、三浦晴香は相沢栞の親友である。

彼女は異変を察知した。

「いるけど。何かあったの? 栞のこと?」

「車を一台用意して、ガソリンを満タンにしてくれ。それから安楽町へ向かって、栞のお母さ...

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