第35章

廊下に明かりはなく、窓から差し込む月光だけが、彼の長身で均整のとれたシルエットを浮かび上がらせていた。

ドアの外に立ち、中から時折漏れ聞こえる、押し殺したようなえずき声に耳を傾ける。

扉を押し開けると、微かな光の中、相沢栞がベッドの傍らにうずくまっていた。顔面は蒼白で、壁に手をつきながら激しく嘔吐している。

薬の副作用は、彼が想像していた以上に重いようだ。

骨と皮ばかりに痩せ細ったその身体は、痙攣するたびに、残された僅かな体力を削り取られているかのようだった。

額には冷や汗が滲み、頬に張り付いた髪が、彼女の惨めさと脆さを際立たせている。

神谷洲の胸の奥を、再び何かがドンと突いた。...

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