第38章

「蓮、聞いて。お医者様が言うにはね、あなたの病気を治すには、とても特殊な臍帯血が必要なの。でも、相沢のおばさんは……くれないって」

吉川秀美の声はひどく優しかったが、その一言一言が刃のように鋭かった。

「それにね、あなたのことなんてどうでもいいって。それどころか……いなくなればいいって……」

神谷蓮の澄んだ瞳に、瞬時に暗い影が落ちた。相沢栞は母親を死に追いやった仇だと、幼い頃から刷り込まれてきたのだ。その女が今度は自分を殺そうとしていると聞き、胸の奥の憎悪が一気に燃え上がった。

小さな拳を固く握りしめ、目尻を赤く染める。

「ひどいよ!」

神谷蓮は吉川秀美の手を振り解き、相沢栞の病...

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