第43章

母親の安否も、お腹の子が無事かどうかも分からない。

ただひとつ確かなのは、自分がこの豪奢な檻に閉じ込められ、たった一人ですべてを背負い込んでいるということだけだった。

病院、救急外来の廊下。

手術室の赤いランプが消えた。扉が開き、疲労を滲ませた医師が出てきて告げる。

「申し訳ありません。最善を尽くしましたが……」

三浦晴香はよろめき、冷たい床にへたり込んだ。瞬時に涙が溢れ出し、視界を滲ませる。

相沢シズがこんなにあっけなく逝ってしまったなどと、信じたくなかった。

震える指先でスマートフォンを握り、温水景介に電話をかける。喉が詰まり、声にならない嗚咽だけが漏れた。

病院に駆けつ...

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