第49章

神谷洲は扉の前に立ち、しばらく中を見つめてからその場を離れた。

その日を境に、相沢栞は時折、神谷洲と言葉を交わすようになった。

大半は日常の些細なことや、どうでもいいような雑談ばかりだった。

彼女は神谷蓮の様子を尋ねることもあった。

神谷洲も彼女の真意に気づくことはなく、むしろ相沢栞がようやく「運命」を受け入れ、警戒を解き始めたのだとすら思っていた。

……

浅野薇々は、神谷洲の相沢栞に対する監視が緩んでいることを知り、激しい嫉妬と怒りを燃え上がらせた。

あの相沢栞が、庭園を散歩することすら許されているだと?

そんなこと、到底我慢できるはずがなかった。

彼女は再び、買収した使...

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