第51章

相沢栞は床に落ちた紙を見つめた。そこに「遺伝子」という文字がうっすらと見え、心臓が大きく跳ねる。

弁明しようとしたが、神谷洲は一切の隙を与えなかった。

「お前は本当に悪辣な女だ! 目的のためなら手段を選ばない!」

神谷洲は一歩、また一歩と距離を詰める。その瞳には燃え盛るような嫌悪が宿っていた。

「今日からここでおとなしくしていろ。一歩も外へは出さない! リハビリも中止だ!」

相沢栞の身体がビクッと強張る。

リハビリは、彼女に残された唯一の希望だった。

治療を絶たれれば、手は悪化していく一方だ。

「神谷洲……」崩れ落ちそうな声で懇願する。「私の手は……」

「手だと?」神谷洲は...

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