第60章

送信元は吉川秀美。

受信先は海外の仮想電話番号。

通信日時は、吉川柔香が「交通事故」に遭う前日にぴたりと符合していた。

内容は暗号化されていたが、相沢時にとっては数秒の手間が増える程度にすぎない。

復号が完了し、画面に数行のテキストが浮かび上がる。

『すべて計画通り。明日の決行で』

『安心しろ、手筈は整っている』

『絶対に尻尾を掴まれるなよ』

相沢時の目が鋭く細められた。この短いやり取りこそ、吉川秀美と吉川柔香が共謀していた何よりの鉄証だ。

さらに深掘りすると、ある資金移動の履歴が見つかった。

吉川秀美の海外口座から、「アンナ」という名義の口座へ巨額の資金が送金されている...

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