第90章

「あの人が、あなたたちにやらせたのね」

相沢栞は静かに口を開いた。

中村の身体がビクッと強張り、手にしていたタオルがばさりと床に落ちた。

彼女は全身の力が抜けたように膝から崩れ落ち、そのまま床に這いつくばると、堰を切ったように涙を溢れさせた。

「神谷奥様……申し訳ありません……わざとじゃないんです……私たち……私たちも、どうしようもなくて……」

支離滅裂な言葉で、泣きじゃくりながら訴え続ける。「大奥様が……大奥様から渡されたんです。少しは……おとなしくさせて、お腹の子に良いものだからって……それが命に関わるようなものだなんて、私たち、本当に知らなくて……」

「私も怖くて……神谷奥...

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