チャプター 122

エレノア視点

玄関のドアを執拗に叩く音で目が覚めた。小さな金槌が何度も何度も、ずきずきする頭に穴を穿つみたいに響く。朦朧としたままベッドサイドの時計を覗き込む――午後七時十五分。夕食どきも過ぎた頃に、誰かが訪ねてきたらしい。

汗で湿ったシーツの絡まりから、よいしょと身を起こす。手足は砂を詰められたみたいに重く、言うことをきかない。ベッドの足元に置いていたガウンを掴み、肌から熱が立ちのぼっているというのに震える身体へきつく巻きつけた。

階段を下りる間もノックは途切れず、ひとつ足を運ぶたびに意識を集中させねばならなかった。ようやく扉に辿り着いて開けると、見慣れた青みがかった灰色の瞳がそこにあ...

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