第150章

エレノア視点

「エレノア」

デレクの唇からこぼれ落ちた私の名は、今にも弾けてしまいそうな薄い泡のように、宙にかすかに漂った。ほとんど聞き取れないほど小さく、使われずにいたせいで掠れた声。それでも静まり返った病室では、雷鳴みたいに胸の奥まで響いた。しばらく私は動けず、息の仕方さえ忘れた。たった今耳にしたことを理解しようと脳が必死にもがくあいだ、時間が止まったように感じられた。

私はデレクの顔を見つめた。何日も閉じられていた瞼が、ゆっくりと持ち上がっていく。最初は焦点が合わず、やがて少しずつ澄んでいき、私の顔を探し当て、そこで止まった。窓から差し込む午後遅くの柔らかな琥珀色の光が、彼の顔の...

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