チャプター 18

エレノア視点

身を切るような朝の空気が、ニューべリー・ストリートへ早足で向かううちに、少しだけ頭を冴えさせてくれた。歩道はすでに通勤客や早い時間の買い物客でにぎわい、街はまた新しい一日に目を覚ましつつある。フォーシーズンズ・フローラルズに着いたとき、遅刻はたった一分――小さな勝利だった。

「おはよう、エレノア」早番の花屋のレイチェルが声をかけてきた。彼女はすでに、新しく届いたバラを水揚げしている最中だった。「オランダからの便が今届いたところよ。あなたが頼んでた芍薬、すごくきれい」

「おはよう」そう返し、コートを掛けるとすぐに仕事へ没頭した。在庫を確かめ、花を整え、今日の注文を見直す――...

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