チャプター 20

エレノア視点

できるかぎり自然な足取りで、その居心地の悪い場からそっと離れた。背中には、デレクの突き刺さるような視線が感じられる。デレクと私のあいだに子どもはまだなのか――その問いはなお場に漂い続け、私たちの結婚の実態を痛いほど思い知らせていた。

ストーン邸は壮麗な造りをしていて、続き間のひとつへ姿をくらますのはたやすかった。私がたどり着いたのは、豪奢に飾られた脇の応接間だった。そこにはボストンでも選りすぐりの上流婦人たちが集まり、背景に静かに流れるクラシック音楽に溶けるような、小さな話し声を交わしていた。

「エレノア」

キャサリンの声が部屋の向こうから届き、彼女は私に向かって手を振...

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