チャプター 26

デレク視点

俺はその場に立ち尽くし、入口にいる俺の存在に気づいたエレノアの顔が、怒りから驚愕へと変わっていくのを見守った。頬からさっと血の気が引き、頬骨の高い位置に淡い桃色が二つ残るだけで、彼女は蒼白になった。しばらくのあいだ、俺たちはただ見つめ合っていた。言葉にならないものが、二人のあいだの空気をぴりぴりと帯電させていた。

「……なるほどな」俺はようやく口を開き、沈黙を断ち切りながら店の奥へと歩みを進めた。「俺のことを本当はそう思ってたわけだ。面白い」

エレノアは一歩後ずさりし、反射的にカウンターの縁をぎゅっと掴んだ。「デレク、私はただ――あの人が嘘を言って、腹が立って――」

「違う...

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