チャプター 31

エレノア視点

寝室は暗く、静まり返っていた。隣から聞こえるのは、デレクの規則正しい寝息だけ。私は身じろぎもせず、天井を見つめたまま、さっき私たちの間に起きたことを何度も反芻していた。彼の手が触れていた場所がまだじんじんとして、肌の上には、しつこい香水みたいに消えない感触の残り香がまとわりついている。

少しだけ首を回して、彼の横顔を盗み見た。眠っているあいだは、あの固い表情がすっとほどけている。若く見えた。無防備でさえある――もう滅多に見られない、別のデレク。

いったい、あれは何だったのだろう。さっきまで彼は、溺れる男みたいに私にキスをしていた。手は私の神経の末端をひとつ残らず目覚めさせる...

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