チャプター 38

エレノア視点

「……」夜の闇を切り裂くように、デレクの冷えた声が響いた。彼は東屋の入口に立っていた。姿勢は肩の力が抜けているのに、瞳だけが抑えきれない怒りで燃えている。暗がりでもわかる。危うさを孕んだ顎の線、張り詰めた立ち姿に滲む、制御された憤怒。

ジェームズがわずかに身を引いた。だが平静は崩さない。「ウェルズ氏……でよろしいでしょうか?」

「デレク」私は驚いたふりをして名を呼んだ。胸の鼓動は、期待で早鐘を打っているのに。「ただ、少し空気を吸いに来ただけよ」

「見ればわかる」デレクは返した。声は落ち着いている――その落ち着きが、かえって底知れない。「セラフィーナがあなたを探している、フ...

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