チャプター 44

デレク視点

俺は歩道の上で、息をするのさえ忘れたみたいに立ち尽くしていた。エレノアの頭越しにアレクサンダーの視線が俺を捉える。眉間に刻まれた憂いが、そのまま心配の色となって滲んでいた。夜の空気は妙に粘ついて、俺たち三人の間に重く垂れ込める。誰も望んでいなかった結び目で繋がれた、三人だけの静止画――そんな光景だった。

「ここ数分、ずっとおまえの名前を呼んでた」アレクサンダーが言った。声は低い。だが、そこには責める刃が混じっている。「泣き疲れて、完全に潰れたんだぞ、デレク」

俺はエレノアに手を伸ばした。動きがぎこちない。「おまえの口出しすることじゃない」

アレクサンダーの目が冷たく硬くなる...

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