チャプター 49

デレク視点

眠りに落ちた記憶がない。さっきまでベッドの縁に腰かけて、エレノアの物があるはずの空白を見つめていたと思ったら、次の瞬間には、閉めもしなかった窓から朝日が差し込んでいた。

口の中はからからで、頭は鉛のように重い。服のまま眠ってしまったらしく、ネクタイは緩んでいるのに首にはまだ掛かったままだ。頬の無精ひげは「小粋」などという範疇をとっくに越えて、ただのだらしなさへと踏み込んでいる。顎に手を当て、掌にざらつきが刺さる感触を確かめた。

エレノアはいない。

昨夜それに気づいたときと同じ衝撃が、また胸を殴った。彼女の気配が消えた家は、不気味なほど空っぽだった。彼女がどれだけ自分の生活の...

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