チャプター 51

エレノア視点

「お前は自分自身が怖いんだ。俺に抗えないってことがな」

デレクの言葉が、私たちのあいだの空気にぶら下がったまま消えなかった。不愉快なくらい的確で、胸の奥を抉ってくる。否定したかった。あの傲慢さをそのまま顔に叩き返したかった。けれど、図星だという事実が心臓を早鐘にさせた。

「ばかばかしい」私は鼻で笑い、腕を組んで壁にもたれた。「ただ、あなたと二人きりになる意味が見えないだけよ」

デレクが小さく笑った。その音は、歓迎できない震えを背筋に走らせる。彼の視線は、私の生家の玄関ホールをゆっくり巡り、色あせた壁紙と擦り減った木の床を品定めするように眺めた。

「ここは手が入るな」彼...

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