第五十四章

エレノア視点

振り向くと、そこにジェームズ・フォートが立っていた。金の斑が混じる温かな茶色の瞳が、笑うと目尻にやわらかな皺を刻む。不意に鼓動が早まった。

「ジェームズ」本当に会えてうれしくて、そう呼びかけた。「ここで会うなんて思ってなかったわ」

「同僚と待ち合わせなんだけど、遅れててね」彼の視線は必要以上に長く私を捉え、胃の奥がふわりと波立つ。「実はさっきも君のことを考えていたんだ。セラフィナの歓迎パーティー以来、またどこかで会えないかなってずっと思っていて」

バーテンダーが近づいてきて、私は二人分の飲み物を注文した。支払いはジェームズが譲らず、渋々ながら任せることにした。

「注文が...

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