チャプター 56

エレノア視点

ボストンでも指折りに洗練されたレストラン「アトランティック」で、ジェームズは人目につきにくい席を選んだ。静かな隅のテーブルは背の高い植物のアレンジメントに半ば隔てられ、店内のにぎわいの中にありながらも、温かな間接照明が親密な空気をつくって、私たちだけの小さな繭のような私室感を与えていた。

ワインが注がれるや否や、オリヴィアは待ってましたとばかりに尋問を始めた。

「ねえ、ジェームズ」彼女は私の背筋がぞわりとするほどの直球で切り込んだ。「今まで彼女は何人いたの? それで、最後の恋はどうして終わったの?」

「オリヴィア!」私は水を飲みかけてむせ、あまりの遠慮のなさに顔から火が...

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