チャプター 58

エレノア視点

私が手渡した水をマーガレットがひと口含むと、咳はひとまず治まった。デレクの手はなおも庇うように彼女の背に添えられている。私たちの視線が一瞬だけ交わった。心配を分け合うその刹那、言葉にしない了解がふいに生まれる――私たちの間では滅多にないことだった。だが、安堵は長くは続かなかった。

「少し楽になりましたか?」私は椅子のそばを離れず、そっと尋ねた。

彼女は笑おうとしたが、次の咳の波が襲いかかり、今度はさっきよりずっと激しい。グラスが手の中で震え、こぼれる前にデレクが素早く受け取った。ほんの少し前に見せた、デレクと私のかりそめの一体感は、そのまま彼女を気遣う動きへと強まっていく...

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