チャプター 62

デレク視点

書斎の外のバルコニーに立ち、クリスタルのタンブラーの中で十八年物のマッカランをゆっくりと揺らしていた。夜気は頬にひんやりと心地よく、息苦しい食堂の空気を離れたあとの身には、ありがたい慰めだった。献身的な夫を演じるのは、日に日に難しくなっていた。とりわけ、祖母が子どもの話を持ち出してからはなおさらだ。エレノアが俺の子を身ごもる――その想像は、自分でも予想しなかった何かを胸の内にかき立てた。だが、それをあまり深く見つめるつもりはなかった。

背後で引き戸が開いた。振り向かなくても、アレクサンダーだとわかった。足音は意図的なくらい落ち着いていて、急くところがない。何もかも完璧な兄らし...

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