チャプター 64

エレノア視点

私は両手を彼の肩へ滑らせ、濡れて硬い筋肉に指を食い込ませるようにして引き寄せた。「――くそ、デレク」怒りと渇きがないまぜになって声が震え、私は囁いた。「どうして、いつも私にこんなことをするの?」

彼はほんの少しだけ身を引き、私を見据えた。暗く濡れた髪から水滴が落ち、鋭い頬骨を伝っていく。その目に、原始的で黒い何かが閃いた。「止められないんだ、エレノア。おまえを欲しいと思うのを、止められない」声はざらつき、ほとんど唸り声に近い。そう言うなり彼はまた私の唇を奪い、さっきより深く、飢えたように口づけた。私は指を彼の髪へ絡め、乱暴に引き寄せる。胸の奥で無謀な火が燃え上がった。憎かった...

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