チャプター 90

エレノア視点

寝室の窓の外では雪が降り続いていた。ひとひらひとひらが街灯の光に一瞬だけ照らされ、やがてニュートンの町を覆いはじめた白い毛布の中へと吸い込まれていく。真夜中はとっくに過ぎているのに、眠りだけが私を避けた。夕方、玄関先でデレクと向き合った場面が、頭の中で何度も巻き戻される。必死さを滲ませた目。両手で頬を包まれたときの熱。私を愛したことがあるのか、と問うた瞬間に、彼の声がかすかに割れたこと。

私は認めてしまった。こんなにも時間が経って、ようやく真実を口にしたのだ――そう、愛していた、と。けれど私は慎重に、過去形を選んだ。愛していた。愛している、ではない。そこには越えられない線があ...

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