第九十二章

エレノア視点

数日前、花屋であの張り詰めたやり取りをして以来、デレクは意外にも私の日常から姿を消した。連日しつこいほど追いかけてきて――朝は家の前で待ち伏せし、仕事場までついてきて、店にもふらりと現れていたというのに――その突然の沈黙は、なぜか私の胸をざわつかせた。ほっとした気持ちも確かにある。けれど同時に、肩越しに視線を走らせてしまう自分がいた。そこに彼がいるはずだ、と身構えるように。

クリスマス・イブだった。雪は大粒のまま厚く降りしきり、ボストンのニューベリー・ストリートを汚れのない白で覆っていく。私は花屋――フォー・シーズンズ・フローラルズ――の店内にひとりで座っていた。扉には「クリ...

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