チャプター 98

エレノア視点

目を覚ますと、肩口にそっと唇が押し当てられていた。腰にはデレクの腕が、まるで所有するかのように回され、見慣れた重みがそこにある。カーテン越しの朝の光が、くしゃりと乱れたシーツを淡く照らしていた。彼の吐息は肌に温かく、首筋を伝うようにして、耳の下の敏感なところへとキスが上ってくる。

「おはよう」

彼はそう囁いた。まだ眠りのざらつきを残した声だった。

わたしはわずかに身じろぎし、彼のほうを向く。「昨夜のことがあったからって、あなたを許したと思わないで」身体の奥に心地よい熱が広がっていくのを感じながらも、できるだけきつく言ったつもりだった。

デレクの唇が、わかっていると言わ...

ログインして続きを読む