第10章

聖都の大聖堂の鐘が、七日七晩、途切れることなく鳴り響いた。

第一王子レナード・聖光が正式に帝国の新皇帝として即位し、新たな時代の幕開けと共に、旧時代の派閥争いもまた、最終的な清算を迎える。

私はスターダスト騎士団邸の書斎に立ち、窓の外から飛んで戻ってくるミルを見つめていた。その小さな銀狐の瞳には、複雑な光が揺らめいている。

「ご主人様、エドモンド・ヴィスは全ての魔法資格を剥奪されました」ミルは軽やかに私の肩に降り立ち、やや沈んだ声で告げた。「ヴィス家の魔法典籍は全て没収され、彼の母親はオリバー・ブラックと共に、辺境の流刑地へ送られたそうです」

私はミルの柔らかな毛を撫でた。前...

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