第5章

衛兵たちは私の言葉に、警戒を緩めるどころか一層その目を鋭くした。

「何人たりとも、これ以上要塞への接近を許さん!」

城壁の上から、衛兵隊長の怒声が響く。

「たとえスターダスト家の者だと名乗ろうともだ!」

私は、深く息を吸い込んだ。

「あなた方の慎重さは、理解しています」

右手を高く掲げ、手首にはめられたスターダスト家の紋章に魔力を注ぎ込む。紋章は瞬く間に鮮烈な青い光を放ち、薄暗い雪空にまるで宵の明星のように輝いた。

「これはスターダスト家の血脈印。一族の者しか起動させることはできません!」

城壁の衛兵たちはその光を見て、手にしていた槍をわずかに下げたものの、まだ完全...

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