第6章
三日ぶりに、北の荒野を覆っていた吹雪がようやくその猛威を収めた。
私はスターフォートレスの高い城壁に立ち、遥か彼方で次第に晴れ渡っていく空を眺める。胸に去来するのは、安堵と一抹の寂しさが入り混じった、複雑な感情だった。この数日間の休息は、長旅で疲弊した身体を癒してくれた。だが、それ以上に得難かったのは、レインがスターダスト騎士団を率いる姿を、この目で見られたことだ。
彼は夜明けと共に起き出し、深夜まで働き詰めた。自ら城塞の防御施設を点検して回り、負傷した兵士一人ひとりに声をかけ、幕僚たちと戦術を練る。その責任感と、部下からの揺るぎない信頼は、ゲームのシナリオで描かれていた姿よりもず...
ログインして続きを読む

チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章

6. 第6章

7. 第7章

8. 第8章

9. 第9章

10. 第10章


縮小

拡大