第9話 真実

もう何年も前のこと。大輔が事務所のパートナーに昇格したばかりの頃だった。T市に購入したばかりの新居で、私はまだほんの少し膨らんだだけのお腹にそっと手を置いていた。私たちの未来は、どこまでも続くまっすぐな道のように、輝かしく広がっているように見えた。

「美由紀」

新品のソファに腰掛ける私を、大輔は力強く引き寄せた。

「誓うよ。お前と、これから生まれてくる子に、最高の人生を約束する。――それも、正しいやり方で。俺たちの成功は、一点の曇りもない、クリーンなものにするんだ」

あの頃の彼の瞳には、まだたくさんの光が宿っていた。私たちはきっと、世間で言われるような、幸福な夫婦の一組になれる...

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