第104章

皇美玲は確かに心身ともに疲弊しきっていた。彼女は力なく頷いた。

最後に病床の息子を一瞥し、さらにベッドの脇に控えていたその女にも視線を走らせる。その瞳には複雑な色が宿っていたが、彼女は何も言わずに背を向けた。

姫野夏実はいわば赦免されたかのように、そそくさとその後を追って部屋を出て行く。

病室の扉が静かに閉ざされ、世界は完全な静寂を取り戻した。

残されたのは三人だけ。

昏々と眠り続ける者、安らかに寝息を立てる者、そして、意識を保ちながら孤独に耐える者。

アドレナリンが引くと同時に、鉛のような疲労感が姫野理緒を襲った。

彼女は椅子を引き寄せ、崩れ落ちるようにしてベッドの脇に腰を下...

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