第12章

Y市には、ロフェン・ウイルスのために専門特化した独立科学研究所が設立されていた。

月城曜はメインコンソールの前に座り、研究員からの最新報告に耳を傾けている。

アリスの治療のおかげで、彼の眼疾は確かに快方へ向かっていた。

「モデルによるシミュレーションでは、ウイルスによる視神経の侵食にはピークが存在します。このピークさえ乗り越えれば、その後の回復速度は劇的に向上するはずです」

研究員の言葉が終わるか終わらないかのうちに、月城曜のこめかみに突如として鋭い激痛が走った。

彼は苦悶の声を漏らし、手で額を強く押さえた。

視界に漂っていた曖昧な光と影が、激しく歪み、引き裂かれていく。

かろ...

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